2004チーム戦力分析 ナリーグ東地区
投手力 攻撃力 総合力
アトランタ・ブレーブス A´ B+ B
フロリダ・マーリンズ B+ B B+
フィラデルフィア・フィリーズ A´ B+ A´
モントリオール・エクスポズ C+ B´ C
ニューヨーク・メッツ B B´ C
(戦力分析)
・アトランタ・ブレーブス
かって誰もがうらやむような先発陣を持っていた投手王国は、マダックスのトレードで終わりをつげた。昨年の最多勝オーティスや、99年最多勝のハンプトンなどそれなりの投手はそろえているが、柱になる投手がいない。投手陣で唯一頼りになるのは、クローザーのスモルツのみ。打撃陣も放出などで、チッパー、アンドリューの両ジョーンズ頼みの打線になりつつある。オーナーのテッド・ターナーは、本業のCNNの方で失敗。補強資金もなく、13年連続地区優勝の可能性は限りなく低下、選手の総合力ではマーリンズを上回るが、勝負強さがないのがチームのカラー。ちなみに43才になった元ロッテのフランコが未だ在籍中。
・フロリダ・マーリンズ
昨季奇蹟のワールドシリーズ制覇をしたが、予算の関係でイバン・ロドリゲス、主砲リー、先発レッドマン、クローザー・アービナなど主力選手を大放出。それでもロドリゲス以外は、昨年のワールドシリーズで勝負弱い所を見せた選手なので、GMの目のつけどころは相変わらずいい。攻撃・投手陣ともにほとんど補強はなく、昨年の戦力で戦う。問題はロドリゲスの後釜の捕手だが、投ではベケット、復活をかけるA.J.バーネット、打ではカブレラに期待大。特にカブレラは、近い将来ラミレス(レッドソックス)級の選手になることは間違いないだろう。
・フィラデルフィア・フィリーズ
球界最高の左腕クローザー・ワグナーの獲得で、長年の弱点だったクローザーの問題は解決した。エースのノーヒッター・ミルウッドの残留も決定し、先発陣も安定感がある。あと投手陣に残る問題は、昨季38セーブのウォレルが入ったとはいえ、ブルペンがまだ手薄であり、あと1、2枚は中継ぎが欲しいということ。攻撃陣は昨季47本塁打のトーミは今年も安泰。あとは20本塁打のコンビ、バレル、アブレイユらがその潜在能力をまだ活かしておらず、今年こそ彼らの爆発が待たれる。とはいえ93年以来の地区優勝に一番今年が近づいている。
・モントリオール・エクスポズ
大資金を投入しながら低迷するメッツを尻目に、少ない予算で2年連続の勝ち越しは立派。しかし今オフFAでエース・バスケスをヤンキースに、主砲ゲレーロをエンゼルスに引き抜かれた。また種まき開始の時期。昨季10勝の大家は先発2番手で、先発の柱をになう。ザック・デイやアーマスJrなど、才能あふれる若手投手は多いが、大きくなるためにはまだ経験が必要である。攻撃陣はオールスター二塁手のビドロ以外は、特に目立った選手はいない。大都会から北の地に移ったニック・ジョンソンには、放出したヤンキースを悔しがらせるような活躍を期待したい。
・ニューヨーク・メッツ
毎年予算に恵まれながら的外れの補強をして、下位を低迷させるフロントは、ドジャースそっくり。今年もセンターラインの強化のために、守備に定評のある松井稼頭央を獲得したのは納得できるが、ピアッザ以外の長距離砲がいないのが攻撃陣の弱点なのに、キャメロンやジール、ガルシアなどの中距離打者ばかり獲得するのは理解に苦しむ。投手陣はグラビン、ライター、トラクセルといったベテランで先発が形成されているので大崩れはなく、マーリンズから獲得した新クローザーのルーパーもそこそこ抑えるだろう。だが問題は効率の悪い打撃陣で、今年もビックネームはそろえるが、得点不足に泣きそうだ。