2004チーム戦力分析 ナリーグ中地区

                  投手力   攻撃力   総合力
シカゴ・カブス              A      A´   A´
ヒューストン・アストロズ        A´     A´    A´
セントルイス・カージナルス      B      A     B+
ピツバーク・パイレーツ         D+    D     D
シンシナティ・レッズ           D+    C     D+
ミルウォーキー・ブリューワーズ   C´     C´    C´

(戦力分析)
シカゴ・カブス
マダックスの加入で、ウッド、プライアーの両エースに、若手ザンブラーノ、10勝投手クレメントの5人で構成する先発陣はリーグ1の厚みを持った。ブルペンもガスリー、アルフォンセカ放出も、防御率1点台のセットアッパー・ホーキンス獲得やファーンズワースの成長でまずは問題なし。あとはクローザー・ボロウスキーが昨季(33セーブ)並の活躍ができるかどうか。攻撃陣では一番ロフトンを、若手パターソンの成長を見越して放出。パターソンは昨季の怪我が治れば、1番定着も可能。クリーンナップのソーサ、アルー、リーの3人は、安定している。

ヒューストン・アストロズ
今オフ補強の目玉はなんといってもヤンキースからの贈り物、クレメンス、ペティトの二人。ここに怪我さえなければリーグ屈指の好投手オズワルド、ミラー、レディングの20代トリオが加わる先発陣の層の厚みはカブスに負けていない。問題は不動の守護神ワグナーが抜け、メジャー1のセットアッパーだったドーテルがどこまで新クローザーをつとめられるかどうか。攻撃陣に大きな変化はなく、バグウェル、バーグマンの大砲の周りをケント、ヒダルゴ、エンスバーグなどの中距離砲が固める。足を全く使えない打線なので、出塁率のアップが得点を大きく左右する。ただ1番タイプが37才になったビジオだけというのは、改善したいところだ。

セントルイス・カージナルス
昨季18勝のウッディ・ウィリアムスは明らかに出来すぎだったが、エースのモリスは順調にいけば、昨季の11勝よりは勝ち星を残すだろう。先発陣はまずまずだが、カブスアストロズと比べると劣るのは明らか。知将ラルーサはこの劣勢を、豊富な中継ぎ陣のやりくりで乗り切れるか。攻撃陣はアベレージヒッター、スラッガー両方をそろえ、バランスがいい。注目はなんといっても三冠王に今もっとも近い男プホルス。攻守兼備の名選手ローレン、レンテリアの三遊間も見逃せない。未完の大器ドリューの放出で、田口にもチャンスがきたと思いきや、一発のあるマレーロが外野のレギュラーでは一歩リード。アベレージヒッターでもスラッガーでもない田口が、外野手として生き残るには厳しい状況だ。

・ピッツバーク・パイレーツ
昨年開幕ダッシュも夏に入って、ロフトン、ラミレス、サイモンの主力3人をカブスに、4番ジャイルズをパドレスに放出した時点で事実上シーズン閉幕。今オフもサンダース、ポーキー・リース、元中日のステアーズなどの主力選手大放出で、貧乏球団の悲哀をたっぷり見せてくれた。残ったスターと言えば、打って走れるオールスターキャッチャーのケンドールだけ。内野も外野も選手が足りず、もし今メジャーの経験を積みたいという日本人野手がいるなら、迷わずパイレーツがおすすめ。先発陣も実績のない若手ばかり。ホセ・メサがクローザー。

シンシナティ・レッズ
90年ワールドチャンピオン、95年地区優勝の栄光ははるか遠い昔。映画「メジャーリーグ」に登場する女オーナーそっくりの舌禍女性オーナーが引退したと思ったら、チームはみるみる弱体化。昨季はシーズン途中で、三塁手ブーン、クローザー・ウィリアムスソンに,好調だった中継ぎ3人を、予算の都合上トレード。今オフも主要な補強なしという見事なまでの勝つ気の無さを見せている。それでも打線はケン・グリフィーJr、カーンズ、ダンと破壊力は秘めているが、問題はいつ爆発するか。一方の投手陣は今年も火ダルマ間違いなし。

ミルウォーキー・ブリューワーズ
シドニー五輪米国代表のエースだったベン・シーツが今年もエースをつとめる。彼と同じく10勝投手のフランクリン、キニー以外の先発投手がいないところが苦しい。クローザーは昨季後半戦37試合登板で、21セーブのコープがまずは問題がないところ。攻撃陣は主砲45本塁打のセクソンがトレードでぬけ、パワーダウン。昨季28本塁打ジェンキンスや、23本塁打のヘルムスなど若手の成長は見られるが、まだ核になる選手が現れていないので攻撃能力はイマイチ。とはいえパイレーツやレッズの弱体化が余りにひどいので、最下位脱出は間違いない。