2004チーム戦力分析 ナリーグ西地区

                     投手力  攻撃力  総合力
サンフランシスコ・ジャイアンツ     B    B    B+  
ロサンゼルス・ドジャース         B+   C    B´
アリゾナ・ダイアモンドバックス     C+   B´   C+
コロラド・ロッキーズ           D+   A´   C
サンディエゴ・パドレス          B´   B    B´

(戦力分析)
サンフランシスコ・ジャイアンツ
昨季17勝をあげ、最優秀防御率賞にも輝いたエース・シュミットがオフに右ヒジを手術したが、怪我の後遺症がないかが先発投手陣のキーになる。彼以外ではリーター、トムコなどの10勝級ピッチャーが数人。クローザーのネンも故障明け、エース・セットアッパーのネイサン放出といった点も気になる。攻撃陣に大きな変化はないが、スラッガータイプはボンズ一人なので、線になった攻撃ができるかが焦点。今年もボンズが爆発すれば、周りの打者も生きてくる。打線の平均年齢はかなり高い。そこそこの打線と投手陣で、長年エクスポズを率いた名将アルー監督が今年も安定した采配をみせるか。

ロサンゼルス・ドジャース
補強した選手が毎年中々活躍してくれないのはジンクスか、それともフロントの眼力のなさなのか。投手力はまずまずなので、攻撃力さえ上がればいいチームになるのだが、今年も今のままだと得点不足に泣きそうだ。まず昨季19本塁打の主砲グリーンの復調は絶対必要。彼以外に大砲はおらず、さらに3割打者もいない打線は苦しい。先発陣はエース野茂に、技巧派左腕ペレス、石井の3人でジャイアンツを一歩リード。昨季サイ・ヤング賞のクローザー・ガニエは全く心配なし。あとはモタがセットアッパーとしての風格をつけてくれると安心だろう。シーズン途中に的確なトレードを行い、バッターを獲得できるかが、プレーオフ進出を大きく左右しそうだ。

アリゾナ・ダイアモンドバックス
今オフに右のエース、カート・シリングが移籍。これで先発陣で頼れるのは左のエース・ランディ・ジョンソンだけになってしまった。後は24才の新鋭ウェブ以外、特に目立つ選手はいない。ちなみ元巨人のデセンスも先発陣に加わっている。バルベルデ、ライオンの若手リリーバーは期待できるので、あとはクローザー・マンタイが1年を乗り切れるかが問題。打線では若手遊撃手シントロンの台頭、名手ロベルト・アロマー獲得などは明るい材料。だが新加入のセクソン、チームリーダーのゴンザレス以外にもう一人核となるバッターがいないと、一流投手を攻略するのは難しいだろう。

コロラド・ロッキーズ
毎年そのレトロなスタジアム人気で観客動員数は全米トップクラスを誇るが、成績は中々ふるわない。しかし今年の打線は大変豪華。メジャー屈指の技術とパワーと持つトッド・ヘルトン、昨季打点王のウィルソン、バーニッツの30本塁打トリオに、走攻守三拍子揃ったウォーカーにカスティーヨも20本塁打は期待できる。問題は投手陣。ただでさえ空気が薄く、ボールが飛びやすい球場なのに、エース・ジェニングス以外先発で計算できる投手はいない。クローザーも今季から、先発経験しかないチャコンが挑戦。まさに85年版型阪神タイプのチーム。

・サンディエゴ・パドレス
今オフこの地区ではもっともいい補強を実行。投手ではリーダー的な存在のデビット・ウェルズ、打者では3割28本塁打のペイトンと的確な補強ができた。打線はジャイルズ、クレスコ、ペイトンでクリーンナップを形成し、あとはネビンに当たりが戻ってくるのと、「将来の首位打者候補」23才ショーン・バロウズ三塁手リードオフマンに定着できるかがポイント。先発陣はウェルズ以外もそこそこの選手はそろえ、クローザーには不動の守護神ホフマンが怪我から帰ってくる。弱点はペック以外がやや手薄な状況ブルペンで、これを中日から移籍した大塚が救えるか。登板のチャンスはいくらでもあるはず。