アリーグ優勝予想 中地区

「中地区」
 中地区の5チームは、いずれも球団予算に余裕を抱えていない球団なので、他の地区に比べてチーム力はがくんと落ちる。東地区からブルージェイズや、西地区の3強がこの地区に移れば、すぐにでも優勝できるぐらいの地区レベルである。
 昨年は夏場まであわや地区優勝か、という快進撃を見せたロイヤルズは、今年は苦しい。というのは昨年、夏場以降にばててしまったのは、投手陣の息切れのせいだったが、その投手陣に大きな補強がない。昨季2ケタ勝ったのは、14勝のアンダーソンと10勝のメイの二人だけ。クローザーのマクドゥーガルにいたっては、昨季防御率が4点台。この投手力で戦わねばならないロイヤルズが首位に立つためには、今の段階では全くの新星がどこからか現れるのを待つしかない。
 そのため今年も地区優勝を争うのは、ツインズとホワイトソックスの2チームにしぼられるだろう。個々の比較をすると、先発投手ではホワイトソックスが一歩リード。打撃では長打力でホワイトソックス、打線のつがなりでツインズに軍配があがる。球団フロント力は的確なトレードを毎年行えるツインズのフロントが断然上。
 2チームとも大変拮抗した戦力だが、優勝の鍵を握る選手は、ホワイトソックスのクローザー、ビリー・コッチになるだろう。昨年は44セーブをあげたセーブ王としてアスレチックスから入団し、大きな期待をされたが、球速の低下もあり、防御率は5.77で11セーブしかあげられなかった。彼に一昨年の投球が戻れば、ホワイトソックスががぜん有利となる。ただ今の時点では、どれほど回復しているか不明。そのためチームの団結力で上回るツインズを地区優勝候補におした。
 残りの2チーム、タイガース、インディアンスは勝率5割ラインがはるか遠くにある。タイガースには昨季の覇者マーリンズからイバン・“パッジ”・ロドリゲス捕手が入団したが、彼のリードも宝の持ち腐れかもしれない。マーリンズには実績はないが、才能をもった投手が何人かいて、その潜在能力がパッジのリードで引き出されたが、タイガースの若手投手がそこまでの器かどうかの判断は難しい。両チームとも種をまき始めた時期なので、新しい選手が育つまでは苦しい時期が続くだろう。