この選手に注目!第1回「アルバート・プホルス」

各リーグからたった一人見るべき打者をあげるならば、アメリカンリーグからは「メジャー最高の選手」アレックス・ロドリゲス(以下A・ロッド)があがるのは、順当なところだろう。ではナショナルリーグでは誰か。それが今日紹介したいアルバート・プホルスである。
この二人がこれからの10年間、メジャーリーグを背追っていくのは間違いない。
プホルスは80年生まれの24才(A。ロッドの5才下)。01年にデビューすると、ルーキーながら打率.329、37本塁打、130打点という抜群の成績を残した。2年目も打率.314、34本塁打、127打点と変わらぬ成績を残し、その実力は本物であることを証明する。
そして三冠王も期待された3年目の昨季は、終盤の不振もありながら、打率.314、43本塁打、124打点の成績を最終的に残し、首位打者最多安打のタイトルを獲得した。三冠王は逃したが、本塁打と打点もリーグ4位の位置につけ、文句のつけようがない成績だった。
今、三冠王を実際狙える位置にいる男は、プホルスをおいて他にいない。そのわけはホームランバッターでありながら、高いバッティング・アベレージを残せることである。
彼のバッティングの特徴は、パワーと選球眼のよさ。自分の打つべきコースのボールをよくわかっている。そしてそのボールを打ち損じない柔らかさも合わせ持つ。パワーと柔軟性、その二つを兼ね備えていることが、何より彼の潜在能力の高さを表している。
まだ経験が浅いためにバリー・ボンズのように完成されたバッターではないが、学習能力がある選手なので、その経験不足もおいおい解消されるだろう。
プホルスは、そのように高い潜在能力と考える力の両方を持った選手なので、未来をつくることができる素質がある。今日の試合より明日の試合、今シーズンより来シーズンの試合。時間が経つにつれて、どんどんレベルがあがっていくはずである。彼の未来なら信じてもいい。そういった意味で一つ一つの打席を見るのが、とても楽しい選手だ。
今後怪我さえなければ、A・ロッドは多くの通算記録をぬりかえる可能性があるし、プホルス三冠王をとる可能性がある。
1967年のヤストレムスキー(レッドソックス)以来、メジャーリーグ三冠王は現れていない。だがプホルスは毎年三冠王にチャレンジできるくらいの能力を持っっている。
あと10年プレーできるなら、あと10回チャンスがある。
その無限の可能性。何よりそれが楽しみなのだ。