ナリーグ優勝予想 中地区

「中地区」
いずれも先発投手に5人の安定した投手を抱えるカブスアストロズの戦いになるのは間違いない。
カブスは昨季18勝のプライアー、14勝のケリー・ウッド、16勝のマダックス、13勝のザンブラーノ、14勝のクレメントで計75勝。
アストロズは昨季21勝のペティト、17勝のクレメンス、10勝のレイ・オズワルド、14勝のミラー、10勝のレディングで計72勝。
アストロズのオズワルドは昨年は怪我があり10勝に終わったが、本来の実力を発揮できれば20勝できる力は十分ある。
カブスの方もウッドはコントロールを、ザンブラーノはマウンド度胸を今よりつければあと5勝は上乗せられる力を持っている。
という風に額面通りの成績を見ても、潜在能力を考慮してもほぼ等しい先発力を両チームは持つ。
攻撃力では、中核を打つのがアストロズがバグウェル(.278 39HR 100打点)とバーグマン(.288 25HR 95打点)、カブスサミー・ソーサ(.279 40HR 103打点)とアルー(.280 22HR 91打点)と大きな違いはこちらもない。
攻撃面では他の選手もほぼ互角で、アストロズには走れる選手が全くおらず、カブスには新鋭パターソンが30盗塁はできる力を持っているというぐらいしか違いはない。あとは控えの代打の層がややカブスの方が厚いというぐらいだ。
最大の違いはブルペンで、カブスが一歩リードしている。クローザーのボロウスキーにとって昨年のブレイクは突然変異かもしれないが、もしもの時はプレーオフでも好投したファーンズワースが、いつでもボロウスキーの代わりをつとめられるだろう。セットアッパーにはさらにツインズから、名セットアッパーのホーキンスも獲得した。
一方のアストロズはワグナーが抜けたクローザーの穴を、セットアッパーのドーテルをまわすことで埋めようとしている。そのため現状では、中継ぎ陣が手薄になっている。150キロ台半ばの速球を投げるブラッド・リッジにコントロールとマウンド度胸がつけばその不安も半分は解消されるが、彼にはまだ経験が必要である。 
そのため総合的に見て大きな穴のないカブスを、地区の優勝候補におした。ただアストロズも決して悪いチームではなく、怪我人がでなければワイルドカードは勝ち取れるはず。どちらしてもこの両チームはプレーオフに進める力を持っている。
対抗馬はカージナルスだが、エーズのマット・モリス、ウッディ・ウィリアムス以下の先発投手の力ががたっと落ちるのが、上位2チームとは大きな差となっている。
攻撃陣には「三冠王にもっとも近い男」プホルスや、チャンスに強い大砲エドモンズ、攻守兼備の三塁手ローレンなどいい打者が多いので、先発投手にあと一人いい選手が現れたら、巻き返しも十分可能となる。
レッズ、パイレーツ、ブリューワーズの最下位争いも激しいものとなるだろうが、若手が育ってきているブリューワーズが昨年の最下位からは脱出するだろう。
パイレーツとレッズは残念ながら、今のところは球団の方針に勝利の文字がないようである。

※()内は昨季の打撃成績