ナリーグ優勝予想 東地区

・「西地区」
開幕前の現段階では、ナリーグの他の地区と比べて一段レベルが下がる感は否めない。そのためこの地区からワイルドカードへ進出、あるいはプレーオフを勝ち上がり、ワールドシリーズに進むチームは出ないと今のところ予想している。
というのも、この地区は全チームの実力が伯仲しているのだが、どのチームにも欠けているものが目立つ。
ジャイアンツとパドレスはリリーバー陣が、ドジャースは攻撃陣、ダイアモンドバックスロッキーズには先発投手陣に不足が見える。
それぞれ個々に見ていくと、パドレスは昨シーズン終盤と今オフのトレードによって、攻撃陣は大分整備された。どのチームと比べてもそう見劣りはしない。先発陣にも昨年のスターターに、獲得したウェルズ(昨季15勝)とバルデス(8勝)が加わり、上乗せができた。不動の守護神だったホフマンも怪我から帰ってくる。
ただ問題は試合の中盤を投げるリリーフ投手に、いいのがいない。期待されていたベテランのロッド・ペックも、キャンプ地から謎の失踪を遂げ、現在行方不明。この状況は中日から移籍した大塚には大チャンス到来だが、メジャーのプレッシャーに1年間耐えて投げれれるかは、現段階ではわからない。ただ彼が活躍すれば、チームの救世主になれる可能性はある。
野茂、ペレス、石井の先発3本柱に、モタ、ガニエと続くブルペンを持つドジャースは投手陣は安定しているのだが、今年も攻撃陣が足を引っ張りそう。リードオフマン不在、4番不在では厳しい。
ダイモンドバックスは右のエース・シリングがレッドソックスに移籍し、信頼できる先発投手はランディ・ジョンソンだけになってしまった。毎年サイ・ヤング賞候補の働きをしていたシリングが抜けた穴は、あまりにも大きい。昨季ルーキーながら10勝を挙げたウェブが活躍しても、先発の層が薄い。ブルペンにはマンタイ、バルベルデ、ライオンの強力な快速トリオが控えており、先発投手にもう少し補強を入れれば面白くなるのだが。
ロッキーズは実に破壊的な打線を作り上げたが、とってくれた点を投手陣が吐き出す場面がよく見られそう。先発投手5人全員の昨季あげた勝ち星を合わせてみても30勝。一人平均6勝で、今年はこれよりも増えるだろうが、大きな期待はできない。クローザーも、今季初経験のチャコンがつとめるが、精神的に強い方ではないチャコンにどれほど耐久力があるかがやや不安。
ジャイアンツの弱点は、パドレスと同じくブルペン。昨季38セーブのウォレルとリリーフで12勝をあげたネイサンを放出。新しい補強はない。その理由は昨季怪我でシーズンを棒にふった100マイルクローザーのロブ・ネンが帰ってくるから。ただ病み上がりのネンに期待をかけすぎるのも不安点。先発陣ではエースのシュミット以外に目立つ投手がおらず、昨季の地区優勝はブルペンの充実なしに語れないのだが、今のところブルペンに大きな補強はない。
ただ攻撃陣は平均より上で、ジャイアンツの問題点はブルペンだけなので優勝候補におした。他のチームは欠損部分が大きすぎる。
対抗馬としてはパドレス。弱点はジャイアンツと同じくブルペンだが、若い選手が多いので、経験をつんで自信をつければ、面白いチームになるはずだ。