タイトル展望 アリーグHR王

  (昨季ホームランレース)
1 アレックス・ロドリゲス(レンジャース)   47本
2 カルロス・デルガドブルージェイズ)    42本
  フランク・トーマスホワイトソックス)   42本
4 ジェイソン・ジオンビヤンキース)     41本
5 アルフォンゾ・ソリアーノヤンキース)   38本
  ラファエル・パルメイロ(レンジャース)   38本


昨年もA・ロッドが、守備でもっとも難しいポジションの一つ、ショートでゴールドグラブ賞を授賞しながら、3年連続でホームラン王のタイトルも獲得した。
だがこの成績でも3年連続50HR、4年連続3割(昨季は.298)を逃した事実は、彼の目線がはるかに高いところにあるということの証明である。
昨年は史上最年少(当時27歳)で300本塁打を達成し、メジャー記録の755本塁打更新へも進行中だ。
彼のバッティングスタイルは基本に忠実で、小さくコンパクト。パワーヒッターにありがちな大きな構えでも、大きなスイングでもない。だがボールがバットに当たると、力一杯振っているようには見えないのだが、ボールは実によく伸びていく。
バッティングのアベレージが残せるのも、パワーよりミートを重視しているから。それでもよくミートされれば、ボールはスタンドに飛び込む。そのように真にパワーがあるため大振りする必要もなく、鋭く柔らかくスイングしてくるA・ロッドは投手にとっては実に厄介なバッターだ。さらには長谷川が絶賛する精神力も持ち、イチローもあまりの完璧ぶりに嫉妬する人格者でもある。
そのA・ロッドがいる以上、今年もアリーグのHR王のタイトルは50本前後になるだろう。
そうなると昨年の上位者を見ても、50本に届く力を持つものは、ブルージェイズデルガドしかいない。あとの4人は40本が限界。デルガドも3割打てるホームランバッターだが、そのスイングはA・ロッドとは正反対。力強いスイングでボールをスタンドに叩き込むのが、自分のスタイル。
だが二人の実力を比べてみると、普通にプレーしていてもA・ロッドは50HR打てるが、デルガドは40HR前後のバッターだ。彼が50HR以上打つには、とにかく絶好調のシーズンを送る必要がある。
その点を考慮すると、今年もA・ロッドがアリーグのHR王最有力候補になるだろう。昨年の上位者以外では、エンゼルスに移ってきたゲレーロも40HRぐらい打てる実力があるが、50HRは難しい。
そしてソリアーノはHR王のタイトルではなく、今年こそ40本塁打、40盗塁の「40−40」を達成できるかもしれない。