ヤンキースーデビルレイズ日本開幕戦  ガイド  「デビルレイズ」

デビルレイズ
(先発予想オーダー)

1 左翼 クロフォード  .281  5HR 54打点 55盗塁 
昨季は55盗塁で、イチロー(34盗塁)らを抑えて、アリーグの盗塁王を獲得した22才。まだ若いので常時50盗塁前後はできるスピードを持つ。三振数が多いので、それを克服すれば、どこのチームにいっても通用する一番打者になるだろう。
2 三塁 ブラム     .262 10HR 52打点 
内外野をこなせる便利型の選手。守備やバッテイングに華はないが、堅実なところが特徴。
3 中堅 バルデリ    .289 11HR 78打点 27盗塁
昨季最後まで松井らと、アリーグ新人王を争ったデビルレイズのニュースター。外野手としての強肩、柔らかいが鋭いスイングで将来が楽しみだ。今季は昨季を越える成績を残すのは、間違いないところ。
4 DH ハフ      .311 34HR 101打点 
デビルレイズが球団創設5年目にして、初めて手に入れた自前大砲。パワーとミート力を兼ね備えたバッティングは、3割40本塁打も十分射程圏内である。契約が切れる3年後には、他の有力チームも欲しがる打者になっているだろう。
5 右翼 クルーズJr  .250 20HR 68打点
01年には30本塁打、30盗塁を達成した。スピード、肩、パワーと身体能力はどれもとても高いが、気持ちにムラがあるのが弱点。そういった意味でメジャーらしいといえば、メジャーらしい打者。
6 一塁 ティノ・マルティネス .273 15HR 69打点
98年から00年にかけてヤンキース3連覇した時の不動の5番。37歳になる今季、往年の働きは見られないが、持ち味のチャンスでの強さは、まだ完全には衰えていないはず。
7 捕手 ホール     .253 12HR 47打点
33%がキャッチャーの盗塁阻止率の合格点だが、ホールは昨季約44%を記録した。これはアリーグ2位で、その強肩は大きな武器である。選球眼はいいが、外角の変化球に弱点の残すとのスカウティングレポートあり。

8 二塁 ルーゴ     .271 15HR 55打点
昨年はショートを守っていたが、サンチェスの加入で、セカンド転向。守備の負担の軽減で、打撃は去年より少しは上向くだろう。体格的にも、バッテイング的にも、日本人っぽい選手。
9 遊撃 サンチェス   .250  0HR 23打点
その絶妙な守備をウリに、これまで9チームを渡り歩いてきた守備の傭兵。広い守備範囲と強肩は37才になる今季も健在だが、昨季から深刻な打撃不振におちいっている。


  (投手)

・30日先発 ザンブラーノ 12勝10敗 防御率4.10
150キロ近い高速シンカーは、大きな武器だが、それを生かすコントロールがない。四球、死球、暴投は昨季リーグのトップ。大きな才能があるのにもったいない!それでも日本の野球ファンにこれがシンカーなんだ、という本物のシンカーを見せてほしい。

・31日先発 ゴンザレス   6勝11敗 防御率3.91
カットボール、沈むタイプのツーシーム、日本でいうところの「直球」にあたるフォーシームをうまく、おりまぜて投球してくる。コントロールはザンブラーノよりいいので、ヤンキースを抑えらられるとしたら、かれのほうだろう。

・クローザー バイエス    2勝9敗25セーブ 防御率3.81
キューバからの亡命選手。快速球で、チームの期待が高い。果たして、、、。


(ここが試合の見所!)
とにかくザンブラーノは、コントロールがとても悪いので、投げてみないとわからない。 ヒットを打たれるより、四球で自滅する形が多いのである。
ゴンザレスも彼に比べれば、コントロールはいいが、強力な球種は持たないので、甘いコースに入ったら鋭い当たりが出るのは必至。
逆にヤンキースは、ムシーナ、ブラウンと一流投手をそろえているので、大量失点は予想しにくい。
かといってデビルレイズが勝てる見込みが全くないわけではなく、先発が好投し、僅差のディフェンス勝負になったら、勝つチャンスはきっと出てくる。
乱打戦になってしまうと、ブルペンの質を考えたときに、圧倒的にヤンキースが優勢になってしまう。
デビルレイズ・ファンは、先発の好投を祈ろう。
 
ここが一番の見所というのは、ジーター、A・ロドリゲスで組む、ヤンキースの三遊間。この二人の殿堂入りはまちがいない。将来の殿堂入り選手が守る三遊間は、歴史的に見てもトップクラス。
サッカーでいえば、全盛期の釜本と小倉(あるいはカズ)が同じスタメンに並ぶようなものだ。
だが残念ながら、東京ドームの人口芝では、メジャーの球場のようにスーパープレーはうまれにくいだろう。
人工芝では、前や横へのスライデンングキャッチはできないし、土ではないのでボールのバウンドや野手の動きも変わってくるからだ。
ヤンキースには、彼ら以外にも、ジオンビ、シェーフィールド、ポサダー、ロフトンの4人は、将来殿堂に選ばれてもなんの不思議もない。
その彼らが「チーム」になったとき、どんな音が聞こえてくるのか。そもそもこれだけの選手たちが、チーム足りえるのか。そこにも今シーズンのヤンキースへの興味は集まる。
その第一歩はどう記されるのか、見届けよう。