リトル松井、初陣一番槍!

これが数週間前のオープン戦まで、あれほど自分のタイミングを失っていた選手のバッティングだろうか。
相手のオルティーズが投げた146キロの速球は、真ん中の甘いコースに来る失投だったとはいえ、松井稼頭央の初打席でのバッティングは素晴らしいものだった。
今までのように前のめりになることなく、自分のタイミングでバットを振りぬいていた。そうでなければ松井のような小柄なバッターにとって、バックスクリーンへのホームランは簡単に生まれない。
2安打目も1打席目と同じく、甘く入った150キロの速球を振りぬき、ライナーでライト線へ。これがランナー1人を帰すタイムリーツーベースとなった。3安打目もカーブを自分のタイミングで打ち、右中間へ再びツーベース。
「オープン戦最後の3、4試合や(その)打撃連練習で、打席に入るリズムが非常によくなっていた」とのコメントにもうなずける開幕戦のバッティングだった。
野茂英雄の1年を開幕戦の結果だけで占えないのと同じように、今日の活躍だけで松井稼頭央の1年を予想するのは難しい。
ただ今日のように自分のタイミングで打っていこくとができるなら、失投を打ち返す確率は非常に高くなるはずだ。そのことにとても大きな意味がある。どんな投手も必ず何球かは失投を投げるので、それができればある程度の数字は絶対に残せるからだ。
問題はその数字がどれくらいのものになるかだが、それはもう少し時間が経ってから明らかになってくるだろう。
それよりも、まず何よりも今日は、松井稼頭央の初陣を祝いたい。
待望の日本人野手のナイス・バッティングに。
乾杯!