Wait till,,,,,,When?

日本の球団で未だに日本シリーズを制したことがないのは、大阪近鉄バッファローズただ1チームだけだが(日本ハムは前身の東映フライヤーズ時代に体験)、メジャーリーグにはワールド・チャンピオンを体験してないチームは、全部で8チームある。
その8チームとはレンジャース(61年創立 以下略)、アストロズ(62年)、ブリューワーズ(69年)、エクスポズ(69年)、パドレス(69年)、マリナーズ(77年)、ロッキーズ(93年)、デビルレイズ(98年)である。
この8チームの内、一度もリーグ優勝の経験がない、つまりワールドシリーズにすら行った経験のないチームは、パドレス、ブリューワーズ以外の6チームだ。
つまりメジャー30球団中、5分の1のチームが、ワールドシリーズを体験してないわけで、これではおよそ「ワールドシリーズ出場」が全てのメジャーリーガーにとって究極の目標とされる理由も納得できるというものだ。
その目標も予算が豊富な強いチームにいる選手にとってはまだ現実感をともなったものだが、低予算の弱小球団にいる選手たちには、本当の夢である場合も多い。
たとえば今年もワールドチャンピオン未体験の8チームのうち、現実的にワールドシリーズまで進める力を持っているのは、今のところアストロズだけと考えるのが妥当だろう。もちろん去年のマーリンズのような可能性もあるのだから、一概には否定できない。
マリナーズパドレスとてチームの調子やこれからの補強次第では、その可能性を秘めているチームだ。そして、その可能性がどれくらいのものになるかは、これからの戦いにかかっている。


今までワールドシリーズを制した22チームの中でもっともワールドチャンピオンになるのに年月を要したのは、「さらばベテランズ・スタジアム」の回(http://d.hatena.ne.jp/meshi/20040324)で登場したフィラデルフィア・フィリーズだった。フィリーズがチャンピオンになったのは、創立から実に105シーズン目だった。
ここまでの時間はかけていないが、未だワールドシリーズ・バージンの8チームの内、レンジャースの45年目、アストロズの43年目も十分に長い。
このアストロズにチャンピオンを取らせようと、今年故郷に帰ってきたのが地元出身のペティトであり、その気持ちに応えたのが親友のクレメンスだった。
あのライアンでも地区優勝までしか進めなかったことを考えると、今年のアストロズがどこまでいけるかにはとても興味深いものがある。
もうそろそろ、勝っていい時間帯なのだ。


ちなみに球団創設からもっとも早いスピードでワールド・チャンピオンになったのは、意外や意外、レッドソックスの前身であるボストン・ピルグリムズ(巡礼者たちの意)である。かかった年月はたったの3年であった。
しかしレッドソックスは1919年から、その前身の名前の通り、あてのない巡礼に旅立ち、いまだその答えを見つけられずに旅を終えていない。
実に流浪の巡礼期間86年だが、今年は先発陣にリーグ最高の三本の矢を手に入れた。
彼ら3人が迷える巡礼者たちを導く光になれるかは、10月の頃に明らかになるだろう。
9月までの戦いはレッドソックスにとって長い長い前哨戦であり、チームにとっての成長期間だ。
なぜならレッドソックスは選手の総合力で、ヤンキースを除くアリーグの他チームを引き離している。彼らに油断がない限り、ワイルドカードは必ずとるだろう。
本当の戦いは10月のプレーオフから始まる。