この選手に注目!3人目 「バーノン・ウェルズ」

トロント・ブルージェイズ 中堅手 25歳
まだ若いながら、アリーグでも3本の指に入る攻守兼備のセンター。残る二人はギャレット・アンダーソンエンゼルス)と、トリ・ハンター(ツインズ)。

ウェルズは昨年のシーズンに215安打(打率.317)を放った。これは去年のメジャーリーグ全体の最多安打数だった。
2位はイチロープホルスの212安打であったが、主に3番を打ったウェルズが、トップバッターのイチローに安打数で上回ったところに、大きな価値があるものだった。
またウェルズはミート力だけが取りえでなく、長打力も兼ね備えたバッターだ。昨年は33本塁打、119打点の記録を残した。2塁打の数も49個で、安打数と同様にリーグトップの成績である。
あと課題が残っているとするならば、昨年チーム1だった併殺数だろう。これを減らすような、状況に応じたバッティングを身につけたならば、まさに不動の3番打者になるはずだ。これから先の10年間は、3割30本を約束されたバッターと断言していい。
ウェルズの後を打つ4番には、毎年40ホーマー前後を打てるデルガドが控えており、この二人の3、4番はどこのチームと比べても決して見劣りしない。
リード・ジョンソンと、01年にイチロー首位打者争いをしたカタラノートの1、2番コンビも、目立ちはしないが、堅実で頼りになる。
あとは02年の新人王ヒンスキーと、力はあるが大振りが多いフェルプスが、早く目覚めてくれたら打線が完成されるのに、というのが監督の気持ちだろう。
ちなみにウェルズは守備の方でも、俊足を活かした広い守備範囲と強肩で、超優秀な外野手である。盗塁の方も、昨季は4個しかしていないが、その気になれば常時20〜30個の盗塁を奪える脚力を持っている。
まさに彼こそ、サイ・ヤング賞投手ハラディ、デルガドに次ぐチームの新しいスター・プレイヤーだ。