現在最高のスイッチヒッター 〔2〕

ランス・バークマン 右翼手 28歳
近い将来、アストロズを史上初めてワールドシリーズに連れて行くことになるだろうスラッガー


これからスイッチヒッターとしての頂点に、登り詰めようとしているバッターがこのバークマンだ。2年前には128打点で打点王のタイトルを獲得した。この年ホームランも42本を放ち、これはスイッチヒッターとして史上5人目の40本塁打以上の記録だった。チッパー・ジョーンズは99年に45本塁打で、史上4人目になっている。
バークマンは40ホーマー以上打てるパワーを持ちながらも、その打撃は決して粗くない。メジャーに定着してからのここ4年間の平均打率は、.303である。チッパーと同じく率を残しながら、長打も打てるバッターだ。
昨年は25本塁打に終わったが、30本は打って当然の彼の実力を考えると、今年は必ず巻き返してくるだろう。


アストロズの投手にはバークマンと同じく20代の、オズワルドやミラーといった才能ある若手がいる。
今年はそこにペティトとクレメンスが加入した。
またバークマンの前の3番を打つのは、野茂と数々の勝負を繰り広げてきた豪打・バグウェルである。それ以外の脇の打者もクラッチヒッターのケントや、20ホーマー以上は期待できるエンスバーク、ヒダルゴと充実している。
ブルペンには不安を抱えるものも、ここ最近ではもっとも期待ができる陣容だ。狙いはただ一つワールドシリーズ進出で、そのためには充実の投手陣と円熟の打撃陣を持つカブスを打ち倒すしかない。
バークマンはまだまだ知名度的には地味だが、リーグを代表するバッターになれる力は備わっている。
その力がいつ開花するか、その時期はまだわからない。だがただ一つ確かなのは、今年アストロズワールドシリーズに行くには、バークマンの活躍が必要不可欠ということである。
まずはオールスターに選ればれるぐらいの活躍を、今年期待したいところだ。