どうした、アレックス・ロドリゲス?

現在最高のトータルプレイヤー、ニューヨーク・ヤンキース三塁手アレックス・ロドリゲス(以下A・ロッド)が大変に苦しんでいる。A・ロッドの今季の成績は、12試合を消化した時点で、打率.156、1本塁打、3打点というもの。3年連続ホームラン王をとり、3割が当たり前だった彼のこれまでに成績を考えると、ちょっと信じられない数字となっている。
解説者も色々なことを言っているが、特に顕著な今のバッティングの特徴は、得意だった右方向への打球が減っていることがあげられる。変わってひっぱって、ひっかけてしまう内野ゴロが増えた印象が、現在点ではある。
どこか体の調子が悪いのだろうか。
彼の親友でもある、同僚のジーターは、そんなA・ロッドに対して「彼にはリラックスが必要だと思う。でもここ(ヤンキース)では中々それができないんだ」と話している。
今のA・ロッドを見て、思い起こすのは、4番のジェイソン・ジオンビが02年にアスレッチクスから移籍したときも、同じようにシーズン序盤大変な不振におちいっていたことだ。
4月は大スランプに見舞われ打率は2割そこそこ、これがリーグMVPの選手だとは到底信じれない状況は、今のA・ロッドとだぶる。だがそれも5月中盤を過た頃に打った、ツインズ戦での延長サヨナラホームランの頃から少しずつ調子は戻っていく。そのホームランで全てが解決したわけではないが、調子を取り戻す一つのきっかけにはなったようだ。そしてシーズンが終わってみれば、打率.314、41本塁打、122打点と例年通りの成績を残した。
A・ロッドが今年どれほどの成績を残すかはまだ分からないが、実力がある選手がそれを1年間通して結果に反映できないというのは、実力のない選手がいつまでも結果を出し続けること同じくらいありえないことだ。
そしてA・ロッドが実力のない選手かと言われれば、間違いなくその答えはNOである。
だから、今はまだ数字には表れていないが、彼については心配する必要がないと僕は思う。
何よりうまれつきの才能だけに頼らず、考えられることもできてきたA・ロッドがいつまでも同じことを繰り返すとは考えにくい。
いいものでも悪いものでも、どうしたって実力というのは、結果に現れてしまうものなのだ。