月間 チームに一言! ナショナル・リーグ編〈2〉

・「中地区」順位
                         勝   負
1 ヒューストン・アストロズ       18  10
2 シカゴ・カブス             17  12
3 シンシナティ・レッズ         15  14
4 セントルイス・カージナルス    15  15
5 ミルウォーキー・ブリューワーズ  14  15
6 ピッツバーク・パイレーツ      12  15


この地区もシーズン前の予想通り、アストロズカブスの一騎打ちとなった。
意外なの3位にカージナルスではなく、レッズが入ってきたこと。ただこの2チームの戦力差は圧倒的なので、じきに差が詰まることは必至。残念ながらレッズも、ブリューワーズも、パイレーツも、低予算チームの宿命、「投打の人材が欠乏する状況」をいかんともしがたいのだ。
かといって見るべき選手がいないわけではなく、レッズではホームランダービーのトップを行く若き大砲アダム・ダン、ブリューワーズではリーグ屈指のリードオフマン、スコット・ポドセドニック、パイレーツでは今季から生まれ変わったように打ち始めたクレイグ・ウィルソンと各チームに一人は見て楽しいが選手がいる。
だた優勝争いする準備までは、整っていないのがこの3チームの現状だ。


さて、そうすると優勝争いは残りのそれなりに豊かな3チームになるわけで、その中でも特にカブスアストロズの戦力差が、順位通りに拮抗しており、現時点ではどちらが最後に首位に立っているかの判断は、僕にはまだわからない。
両チームとも、先発に信頼できると投手を複数そろえ、打撃陣のほうにも実績のある選手が多く、得点力が高い。
アストロズは、クローザーにこれまで「メジャー№1セットアッパー」の呼び声が高かったドーテルを回したが、その配置転換はここまで防御率2.40と成功している。
逆にカブスは、去年のシンデレラ・プレイヤー、クローザーのボロウスキーが今季は防御率5.73と苦戦をしいられているが、先発3本柱の一人プライアーが、春先のケガからまだ復帰しておらず、一長一短の状態。
まだまだ先のことはわからないが、他の地区と比べても、この2チームは戦力的に突出しているチームなので、どちらかが地区優勝し、もう一方がワイルドカード(優勝チーム以外で、3地区でもっとも勝率の高いチームが1チーム選ばれる)に選ばれる可能性は非常に高い。
3強の最後、カージナルスは万能打者プホルスに、メジャーで3本の指に入る三塁手ローレンなど打線は相変わらず素晴らしいが、アストロズカブスの先発陣が豪華すぎるためにどうしても投手力で、遅れを取ってしまっている状況だ。



「西地区」順位
                        勝   負 
1 ロサンゼルス・ドジャース       18  10
2 サンディエゴ・パドレス          18  12 
3 アリゾナ・ダイアモンドバックス    12  15
4 サンフランシスコ・ジャイアンツ    13  17 
5 コロラド・ロッキーズ              12  16 


この地区はパドレスがかなりいい。若手とベテランの能力ある先発投手をそろえ、セットアッパーには大塚、クローザーにはホフマンもブルペンも計算できる。打線も生え抜きと、トレード組がほどよく混ぜ合い、絶妙のバランスになりつつある。リーグ優勝本命のジャイアンツが、老朽化により、調子にのれない今、パドレスのこの地区での存在はかなり大きくなってきている。
そのパドレスより上にいる、ドジャースが首位の原因はなんといっても、打撃陣の好調に尽きる。昨季リーグ最低打率を誇った攻撃陣は、今季はがらっと変わり、チーム打率は.278のリーグ2位。
その中心は19歳のときに三塁のレギュラーポジションを与えられながら、その期待に答えられなかったエイドリアン・ベルトレーの5年目の正直。25歳にしてとうとう、その才能を開花させようとしている。打率、本塁打、打率全ての面でチームトップの成績を誇り、打率と本塁打数ではリーグ全体でも2位の成績だ。
ただ彼以外では特に新しい選手の台頭も見られず、1年間このまま打撃での好調を維持するのは難しいのではないだろうか。
その投高打低が悩みの点は、東地区のフィリーズと似ている。石井一久の好調ぶりにも、注目したい。(今季6試合登板で、5勝1敗)


ダイアンドバックスは、ほとんど戦略的な補強をオフにしなかったので、その結果の下位低迷という感じ。チームの目玉は40歳のランディ・ジョンソンと25歳のブランドン・ウェブの新旧剛球コンビだが、彼らに続く選手がいない。
ロッキーズはチーム防御率はリーグどころか、両リーグで断トツの最下位だが、チーム打率はリーグ3位という非常に“益荒男”的なチームだ。
とにかく打つ。本当にめったやたらと打つ。しかしそれ以上点を取られるというパターンで、どうも上位には縁がないようだ。