月間 チームに一言! アメリカン・リーグ編〈1〉

・「東地区」順位 ※現地9日現在
                       勝  負 ゲーム差
1 ボストン・レッドソックス       19 12  −
2 ニューヨーク・ヤンキース      18 13  1.0
3 ボルティモア・オリオールズ    16 12  1.5
4 トロント・ブルージェイズ       13 18  6.0
5 タンバベイ・デビルレイズ       9  21  9.5


・(ボストン・レッドソックス
昨オフにナリーグ最高の右腕・カート・シリング(←ダイモンドバックス)と、昨年のセーブ王キース・フォ−ク(←アスレチックス)を取ったことは間違いではなかった!レッドソックスはここまでアリーグトップの、「3.24」という他を圧倒するチーム防御率が、首位に立っている最大の原因(2位はエンゼルスの4.26)。中でも先発シリングの2.81、クローザー・フォークの0.53という数字は素晴らしい。
首位とはいえ打線の方は、「レッドソックスの顔」ガルシアパーラ(昨季の成績は.301 28HR 105打点)と右翼のレギュラー、トロントニクソン(.306 28HR 87打点)が怪我によりシーズン未登場であり、彼らが復帰すれば(予定では5月中)、さらに厚みを増す。
まさにあと必要なのは、「ファインテングスピリッツ」だけで、勝つ準備は整ってきている。


・(ニューヨーク・ヤンキース
ヤンキースの「常時オールスター打線」がここまで打てないことを、どれほどの人が想像しただろう?
4月を12勝11敗となんとか勝ち越したが、苦しんだ原因は、まさにそれだった。
打線の中で3割をキープしてるのは松井秀喜と、キャッチャーのポサダだけというのは、オールスター級のメンバーをそろえている割にさびしいし、ジーターの打率.186,バーニーの.194という数字も信じられない気がする。とはいえ打線は水物の言葉通り、開幕の頃に比べれば持ち直してきているのは明らかで、元々力があるだけに、心配はいらないだろう。そうなったら、エースのムシーナがここまで苦しんでいるのは不安材料だが、他の先発の2人、ブラウン、バスケスや、セットアッパーのクアンリトルは安定しているし、相変わらずクローザーのリベラは絶好調なので、どうしたって上位に入ってきてしまうはずだ。


・(ボルティモア・オリオールズ
シーズン前に僕はオリオールズを最下位と予想したが、その予想を覆したのは、打線が好調を維持していること。「打てるショート」のミゲール・テハダ、「打てるキャッチャー」のシャビ・ロペス、「打てる40歳」のパルメイロの移籍3人組がそろって好調で、他の打者もノッテる感がある。
先発は予想通り頼りないのだが、「日本人似のメキシコ人」セットアッパー、ロドリゴ・ロペスと、100マイルのファイアーボーラー、ホーヘイ・フリオが安定しているので、勝てる試合は確実に拾っている。
あとはその打線の好調さが、瞬間的なものでなく、実力に変わる時が来れば面白い。先発が弱いので、とにかく打ちたい!チームである。


・(トロント・ブルージェイズ
とにかく打線はつながらない、先発は打たれる、という緊急事態が発生中で本来なら地区3番目の実力者は、現在オリオールズの下に甘んじている。
打撃面を見てみると、トロントの「W新星」・ウェルズとヒンスキーや、ブルージェイズの、ではなく、アリーグの4番ともいっていいデルガドは、打率.250あたりをうろるろする選手ではない。
先発のバティスタ、リリー、ヘントゲンも大量失点が目立ち、攻守ともに自分の力を発揮できていないような状況だ。
ブルペンはビックネームはいないが、決して悪くないので、これからの巻き返しは先発投手次第ではないだろうか。


・(タンバベイ・デビルレイズ
今年こそ創立7年目で、悲願の「80勝」が目標だったのだが、今のままだとその達成も黄色信号。残念ながらそれも打てない(リーグ打率は最下位)、守れない(チーム防御率は14球団中10位)ではしょうがない。
投手面では、先発の質量ともに他のチームと比べたときに、絶対的に劣っているし、攻撃面では3、4、5番候補の3人がそろって、打率1割代から2割強では、ピネラ監督も頭を抱えたくなるだろう。
今のところ打開策としては、選手がスランプを脱出するか、成長を待つかぐらいしかない。
そんな中、打線では昨季の盗塁王クロフォードや、「ヤンキース第6期黄金時代の5番」ティノ・マルティネス、ショートのルーゴ、投手では新クローザーのデニス・バエズなどは健闘を見せている。