月間 チームに一言! アメリカンリーグ編〈2〉

・「中地区」順位  ※現地5月10日現在



                    勝   負    ゲーム差
1 シカゴ・ホワイトソックス     17  13      −
1 ミネソタ・ツインズ         17  13      −
3 デトロイト・タイガース       15  16     2.5
4 クリーブランド・インディアンス  12  18     5.0
5 カンザスシティ・ロイヤルズ     9  20     7.5


・(シカゴ・ホワイトソックス
地区2強のホワイトソックス、ツインズが同率首位と順当に勝ちあがってきている。 ともに積極的なバッティングのチームだが、ホワイトソックスは「パワー」、ツインズは「打線のつながり」とそれぞれ持ち味が違う。
ホワイトソックスは、昨季の28本塁打以上カルテット、マグリオ・オルドネス、フランク・トーマス、カルロス・リー、ホゼ・バレンティンの4人がそろって健在で、他にも新ショートのウリベが.366という高打率を維持していたり、率は悪いがクレディがホームランを量産していたりと、打力には問題がない。
あとは投手陣だが、こちらはぼちぼちといった感じだ。先発陣では去年のシンデレラプレイヤー、ローアイザやエース左腕のバーリーなどが、まだ目覚めていない。
ブルペンの方では、セット・アッパーの左腕ダマソ・マーテは安定しているが、1昨年のセーブ王でもあるクローザーのコッチが防御率5点台と、昨年と同様に苦しんでいる。このまま不調がいけば、背番号ゼロ・高津にその役がまかされる可能性も十分にあるだろう。


・(ミネソタ・ツインズ
レギュラー野手9人のうち、4人が打率3割をキープ。その打撃の好調さで、ホワイトソックスと首位争いをしているが、新星リュー・フォードも現れた。チームの柱トリ・ハンターがケガの間に、フォードはレギュラーを獲得し、現在チーム1の打点をあげている。ツインズとしてはジャック・ジョーンズ、ハンターにつぐ、打線の中軸を任せられる待望の選手の登場は嬉しい限りだ。
ツインズの特徴はまた、リーグ屈指の1番打者スチュワートや、ショートのグーズマン、セカンドのリバス、ハンター、ジョーンズなど走れる選手が多いこと。
投手陣の方は、ホワイトソックスと同じくボチボチで、どうやらこの2チームの行方を決めるのはともに安定しない投手陣の出来になってきそうだ。現時点ではほぼ互角なので、混沌とする先発陣、ブルペンから一人立ちする投手が、多く出てくるチームに勝利の女神は微笑むのではないだろうか。


・(デトロイト・タイガース
去年は119敗という歴代2位の敗戦記録をつくってしまったタイガースは、今年も投手陣が悲しいまでに弱い。クローザーのアービナと、セットアッパーのウォーカー以外の全ての投手が、防御率5点台以上の成績なのだ。もちろんチーム防御率は、リーグ最低。16敗のうち、10敗が二ケタ失点で負けており、この投手陣で勝率5割前後をキープしているのは、先の二人で勝てる試合を確実に拾えていることが大きいはず。
打撃面ではチャンピオン・マーリンズから、アービナとともに移籍したイバン・ロドリゲスや、マリナーズから移籍のギーエンパドレスから移籍のホワイトらの新戦力が活躍していることも、この善戦の理由だろう。だたいつまでも投手陣が整備できないままだと、この地区でならまだいいが、他地区のチームと当たったら一蹴されてしまう可能性が高い。


・(クリーブランド・インディアンス
意外にも、実績のある選手たちを次々と放出し、チームは空洞化すると思われていたものの、打撃面では大健闘している。レギュラーに完全定着したマット・ロートンや、元ブリュワーズリードオフマン・ベリアードが3割を維持し、トーミの後継者ハフナーもそれなりに打っている。去年は.244と低迷した名手ビスケルも、今季はここまで.291と、往年並みの成績だ。
先発陣もエースのC.C.サバシアや、ウェストブロックは防御率2点台で、こちらも大健闘しているのだが、ブルペンがほとんど火ダルマ状態におちいっている。リリーバーにあと一人か、二人、信頼できる投手がいれば、もっと勝星を拾えるのだが、そういった意味でマイナーに落ちた多田野にはセカンド、サードチャンスはまだまだ残されている。このチームに投手が不足しているのは明らかなのだから。


・(カンザスシティ・ロイヤルズ
昨年はまさかの快進撃で、地区優勝を狙える位置までいったが、今年は残念ながら定位置に戻ってきてしまった。
その理由はシーズン前に心配された投手陣の低迷なのだが、何しろ中継ぎサリバンの2勝というのが、現在のチーム勝ち星単独トップというのではその状況も深刻だ。
チームの予算的にシーズン途中での補強は考えられないために、とにかく選手たちが自分の持てる力を発揮して、浮かび上がってくるのを待つしかない。
打撃ではリーグ屈指の巧打者でクラッチヒッターの、マイク・スイーニーや、3割100打点は達成圏内のベルトラン、トレードで獲得した元打点王、ホアン・ゴンザレスと、それなりに戦える選手はそろっているので、最下位脱出は投手陣次第。
つまり中地区の5チームは、いずれも投手陣の人材不足に泣かせれているということだ。