こんなにあります!MLBの球種。(1)

今からちょうど40年前に日本人として、初めてメジャーリーガーになったマッシー村上さんの好著に「ヒット・バイ・ピッチ」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883970736/qid=1087775263/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/250-5357307-0645813#product-details)というものがある
その本の中には今のメジャーリーグのピッチャーの特徴を、自分がいた40年前と比べて、非常にわかりやすい言葉で表現している箇所がある。


「(最近)顕著になったのが、快速球で三振を取るより、微妙に変化するムービングファーストボールでゴロを打たせる投球がいい投球とみなされるようになったことです。
(中略)(その理由は)三振もとるがフォアボールも多いピッチャーは、どうしても球数が大きくなり、ヒジや肩にかかる負担も大きくなります。そうならないためには、バッターに早いカウントで凡打を打たせるのが一番です。それもゴロを打たせるのが一番です。
なぜならフライは凡打とホームランが紙一重だからです。これがゴロならたとえ芯に当たっても最悪スリーベースで済みますし、運が良ければ内野手の真ん前に飛んでダプルプレーにとることもできます。その結果、メジャーリーグの投手たち、とくに先発投手たちは70年代に入ると、こぞって凡打を打たせる投球を身につけるようになります。
それによってファストボール(速球)も、従来のスピンのかかったきれいな回転のホップする速球ではなく、不規則な回転の、打者の手元に来て微妙に変化する速球を投げるピッチャーが急増しました。これがツーシーム・ファーストボールです。
(中略)速球では空振りさせる目的のフォーシームよりゴロを打たせる目的のツーシームが優勢になったように、変化球も空振りをとる目的のボールから、凡打に打って取る、とくにゴロを打たせる目的のものに重心が移っています。」
その変化球が80年代の申し子SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)であり、サークルチェンジであり、カットボールなのだ。
前置きが長くなったが、今回はメジャーリーグで投げられている球種を、「ヒット・バイ・ピッチ」を参考に紹介していきたいと思います。