オールスター スタメン発表! アリーグ 

1 CF スズキ・イチローマリナーズ)	      .320 3HR 31打点 21盗塁

ファン投票では外野手部門最後の枠を、松井秀喜と争ったが、最終的にはイチローが獲得。チームのマリナーズは今シーズン絶不調だが、イチローは例年通りの成績を残している。シーズンのちょうど半分、81試合の時点で112安打を放ち、今年も年間200本安打は現実的な数字となっている。その継続性を支える強さには、敬意の念を感じざるを得ない。
盗塁の方でも、デビルレイズのクロフォードが38盗塁と盗塁王レースを独走しているために、あまり目立たないが、リーグ3位につけている。

2 SS デレック・ジーター(ヤンキース)     .276 13HR 44打点

4月にヤンキースが低迷した時期と重なるように、開幕直後はスランプにおちいったが、ここまで成績を持ち直してきた。彼がいると、いないでは相手チームに与えるプレッシャーのレベルが大きく異なるクラッチヒッター。
個人的にも、チーム的にもライバルのガルシパーラ(レッドソックス)が、開幕から2ヶ月余りを怪我で出場できなかったため、今回は事実上、対抗馬なしで選出された。今シーズン大きな成長をとげつつある、レンジャースのヤングもまだまだ知名度では、ジーターにはかなわかった。

3 RF ブラディミール・ゲレーロエンゼルス)  .342 20HR 73打点

パワー、ミート力、肩の強さ、スピード(脚の速さ)、守備力という野球に必要な5つの能力全てを兼ね備える、5ツールプレイヤー。「都会は嫌い」というだけあって、今年モントリオールから移籍するときも、大都市のチームのオファーをけり、中都市アナハイムを選んだが、その選択は正しかったようだ。
毎年「30HR−30盗塁」は余裕で、「40−40」すら現実的な数字だが、ここ2年盗塁の数が減っているのは、彼が盗塁には重きを置いてないせいかもしれない。守備では素晴らしい強肩、スピードと柔らかさを兼備した運動神経で、潜在能力ではイチローをはるかにしのぐが、その余りにも高い自分の能力に油断して、時々見せる緩慢なプレーは、神に選ばれた天才の証明。もし彼が凡ミスをなくそうと思ったら?、第二のボンズが誕生する可能性が高い。

4 LF マニー・ラミレスレッドソックス)    .338 24HR 71打点

レッドソックスの4番にして、アメリカンリーグの4番。大きなパワーを持ちながら、ミート力が高く、右方向へ流し打つ技術は、メジャーでも超一流クラスにある。そのパワーと確実性のバランスの良さが、彼を大打者へとのしあげたげた。
インディアンスでデビューしたときは、細面の美青年だったが、その後のトレーニングで、体は二回りほど大きくなり、貫禄がついた。ただ当時の愛嬌は、顔から消えていない。

5 3B アレックス・ロドリゲスヤンキース)   . 275 21HR 51打点

21歳で首位打者になって以来、将来のクーパーズタウン行き(殿堂入り)は確実で、このままのペースでいくと、記録的にも伝説の選手たちに届く勢いだ。メジー実質10年目の今シーズン、すでに通算本塁打数は、メジャー記録であるハンク・アーロンの通算本塁打数の48%に達している。それでもまだ今年29歳。
後は記憶の面で人々の頭に残るためには、ヤンキースで一度はワールドシリーズのチャンピオンに輝けば完璧であろう。
オールスターで3塁を守るのは、01年のオールスター以来。その年引退が決まっていたカル・リプケンに、かってのポジションのショートを譲り、代わってサードに入った歴史がある。

6 C  イバン・ロドリゲス(タイガース)     .372 11HR 58打点

人類最強の肩を持つイバンも、三十路に入り、往年の力は衰えたかと昨年は噂されたが、弱小マーリンズで見事ワールドシリーズを制覇。そういったネガティブな噂は完全払拭した。実際昨年のプレーオフ17試合でも、マーリンズの中でもっとも頼りになるバッターはイバンだったし、今シーズンもその活躍通り、アリーグの打率首位を独走している。
かっては肩とキャッチング、打撃だけがとりあげられ、キャッチャーとしてのリードは大味だという意見もあったが、もはや誰もそんなことは言わない程、リード面でも思慮深いキャッチャーに成長した。

7 1B ジェイソン・ジオンビヤンキース)    .243 11HR 33打点

開幕から長いスランプが続いているのだが、ライバルのデルガドブルージェイズ)がさらなる絶不調なために、事実上大きなライバルがおらず、選出された感が強い。
今シーズンはスランプのほかにも、ステロイド疑惑問題や、最近の寄生虫に感染されて病気になるなど、ジオンビには大厄年。
本来の調子なら、ラミレスと同じくパワーも打率も高い選手なのだが、今のジオンビは残念ながら、平常時に比べると別人となっている。

8 2B アルフォンゾ・ソリアーノ(レンジャース) .289 16HR 53打点

今シーズンもここまでリーグ全野手の中で、最高のエラー数を記録しており、(メジャー全体では2位。ちなみに1位は、カズオ松井)、守備の課題は残るが、バッティングのほうでは、2塁手としてはメジャー屈指の成績を残している。日本同様にメジャーでも、2塁手というのは打撃よりも、守備の能力の方が重視されるので、打てる2塁手は少ない。今回のオールスターでソリアーノが最多得票をとったのも、アリーグのセカンドにライバルが少なかったというのも影響しているだろうが、彼の攻撃的なスタイルに魅かれる人が多いせいではないかと僕は推測している。

9 P(予想) マーク・マルダー(アスレチックス) 10勝2敗 防御率2.90

アスレチックスという低予算のチーム、同じ左腕のエース、ジートの陰に隠れてることもあって、日本での知名度はまだまだ低いが、実力的にはサイ・ヤング賞をとることも可能な投手。150キロのムービングファーストボールと、落ちるスプリットが、同じ腕の振りから投げられ、さらにコントロールもいいとあったら、そう簡単には打てない。
その他にもチェンジアップ、スライダーあり。01年には最多勝をとり、ここ3年間の平均勝利は18勝。





(その他の注目選手)

SS マイケル・ヤング(レジャース)     .332 12HR 52打点 7盗塁

アレックス・ロドリゲスの後釜として、ショートにコンバートされ、古巣のセカンドはソリーアノに譲った。慣れないショートを守りながら、バッテイグの方では去年同様、安打数200本クリアは確実で、イチローを抜いて、リーグトップのヒット数を打っている。ヤング・レンジャースの若きリーダー的存在。

3B ハンク・ブレイロック(レンジャース)  .308 22HR 64打点

ヤングレンジャースの快進撃を支える一人で、アベレージを残せるバッティングスタイルながら、パワーも併せ持つ。まだ23才で、間違いなく将来のレンジャースの看板になる選手。

1B デビッド・オルティーズレッドソックス) .301 23HR 77打点

僚友ラミレスとともに、リーグの本塁打王レースの1、2位を争っている巨漢バッター。元々ツインズでデビューし、02年にはツインズの4番として20HRを打ちながら、打撃が粗いという理由でトレードされた。今でもラミレスのように、隙がないバッターではないが、昨年、今年と長打力はアップしてきている。
初球打ちが大好きで、初球を見送ることは少ない。チームメイトがホームランを打つと、真っ先に飛び上がって喜ぶ姿は、いかつい体に似合わず、ほほえましい。

LF カール・クロフォード(デビルレイズ)  .302 4HR 34打点 38盗塁

昨年の盗塁王で、今季も盗塁王レースを独走中。この走力をもちながら、打率3割を残せる打撃力をつけはじめているのは、魅力的。あと数年すれば、他チームから引く手あまたのトップバッターになりそうだ。今回の開催場所ヒューストンの出身。

LF ヒデキ・マツイ(ヤンキース) .285 16HR 51打点

「ファイナル・ボート(最終投票)」で、32番目の選手ととして選出。今シーズンはオールスター前に、昨年の本塁打数16本をかっとばし、最終的に何本までのばすかは興味の湧くところ。オールスターでは、一流投手から目の覚めるラインドライブが見たいもの。

リリーバー ジョー・ネイサン(ツインズ)  1勝23セーブ 防御率1.17

昨シーズン、ジャイアンツのセットアッパーとして、「12勝4敗 2.96」の成績をあげた実績を買われ、ツインズに移籍し、クローザーに抜擢されたが、これが大成功。
ツインズが首位にいる原因の一つになっている。アリーグには彼のほかにも、F・ロッド(エンゼルス)、コーデロ(レンジャース)、ゴードン(ヤンキース)、そしてリベラ(ヤンキース)と、5人も防御率1点台のリリーバーたちがいるので、贅沢な投手リレーになるだろう。


※打順と先発投手は、予想です。