オールスター スタメン発表! ナリーグ
1 SS エドガー・レンテリア(カージナルス) .281 5HR 39打点
チョコレート色の肌に、鋭い白い目のコントラスト、そして素晴らしく柔らく、そして敏捷な身のこなしには、まさに獲物を狙う野生動物のようで、一目見たら忘れられない美しさがある。02年、03年のナリーグ・ショートのゴールデングラブ受賞者で、バリー・ラーキン、レイ・オルドネスから、ナリーグ1のショートの称号は現在、彼が引き継いでいる。
打撃の方でもパワーはないが、守備同様柔らかなバットコントロールで、打率は残せる打者だ。メジャーリーグでは珍しいコロンビア出身で(彼で4人目)、母国ではすでにヒーロである。
2 2B ジェフ・ケント(アストロズ).288 10HR 52打点
メジャーでも数少ない、長打力があり、クリーンナップを打てる二塁手。かといって守備でも一流のものをもっており、強肩で守備範囲も広く、そして確実性もある姿は、オールスター・プレイヤーの名にふさわしい。
派手さはあまりないが、チャンスになると燃えるファイタータイプ。こういう選手が一人チームにいると、打線がしまる。
3 1B アルバート・プホルス(カージナルス) .307 22HR 59打点
「三冠王にもっとも近い男」の名称は、そろそろ公式化しそうな24歳。パワー、バットコントロールの柔らかさ、プレッシャーに動じない精神力の3つを、24歳にして持ちえているというのは、驚き以外の何ものでもない。昨年は43本ものホームランを打ちながら、.359という高打率を残し、首位打者まで獲得してしまった。
もしこのまま怪我もなく、順調に成長を続けていけば、アレックス・ロドリゲスのようなパーフェクトなバッターになることは間違いない。
4 LF バリー・ボンズ(ジャイアンツ) .362 22HR 48打点
言わずと知れた現在最強のバッター。彼のバッターとしての圧倒性を示すのが、投手が彼から逃げるために選ぶ最良の方法、すなわち四球の数であり、02年には198個でシーズン四球記録を更新。そして今年はすでに131四球(その約半分が敬遠の四球)を受けており、自身の持つシーズン記録を塗り替えるのはほぼ確実な状況となっている。
ロッカールームに一人だけ個室をもらい、その部屋に専用の特大テレビをおいてしまうなど、実にマンガ的な要求をボンズができるのも、ひとえに彼のバッテイングがすごいから。40歳になっても衰えない身体は、決して才能だけではないはず。
5 3B スコット・ローレン(カージナルス) .346 18HR 80打点
フィリーズでデビューしたときは、フィリーズ出身の「史上最高の三塁手」マイク・シュミットの再来といわれた。その期待の通り、昨季まで4年連続5度目のゴールドグラブ賞授賞、打撃の方でも毎年30ホーマーは計算できるバッターになった。あとシュミットに近づくためには、打撃のタイトルが欲しいところだが、今シーズンは打点でリーグのトップにつけており、初タイトルの可能性も高い。
6 C マイク・ピアッザ(メッツ) .300 16HR 40打点
野茂がデビューして以来、おなじみ強打のキャッチャー・ピアッザも、今年で36歳になり、そろそろキャリアの終盤に入ってきている。持ち味は鋭いライナー。もう何年前からバッティングに専念するために、1塁へ転向する話を首脳陣からはすすめられているが、キャッチャーをやめないのは、特別な思い入れがあるポジションなのだろう。メッツにとって唯一の、真のスラッガー。
7 CF ? ランス・バークマン(アストロズ) .298 16HR 59打点
ファン投票で選ばれたケン・グリフィーJrが怪我のため欠場。代わりに誰が先発するかは明らかにされていないが、残る5人の外野手の中でセンターを守れるのは、バークマンか、ベルトランの2人のために、どちらかが選ばれる可能性が高く、過去の実績からバークマンを僕は予想した。02年シーズンは打点王のタイトルを獲得。現在最高のスイッチヒッターの称号は、チッパー・ジョーンズ(ブレーブス)から、彼へと移行し始めている。アストロズの新しい主砲。
8 RF サミー・ソーサ(カブス) .271 14HR 33打点
前半戦のうち、のべ約1ヶ月間の試合を欠場したこともあり、リーグを代表するスラッガーとしては、物足りない数字になっている。カブスが今年もワールドシリーズへの挑戦権を獲得するためには、絶対に爆発が必要なバッター。趣味がウェイト・トレーニングといわれるくらい、励んだトレーニングでつけたパワーは本物なので、当たればとにかくでかい飛球がとぶ。
9(予想) ロジャー・クレメンス(アストロズ) 10勝2敗 防御率2.54
1歳年下で、完全試合の記憶も新しいランディ・ジョンソンと先発の座を争うはずだが、今シーズンここまでの成績は勝ち星が同じ、奪三振がジョンソン(145個>121個)、防御率でクレメンス(2.62>2.99)と、大きな差はない。
ただ今回はアストロズの地元、ヒューストンで開催されるため、クレメンスの先発が有力そうである。昨季40歳で17勝をあげながら、一度は引退を決意したのは、もはや彼がやり残したものはメジャーになかったからであろう。だが今季その引退宣言を撤回し、ライアンもできなかった、アストロズのワールドシリーズ出場という目標のために帰ってきた。
(その他の注目選手)
1B トッド・ヘルトン(ロッキーズ) .349 17HR 56打点
00年に首位打者と、打点王という、相反する打撃タイトルを獲得したときから、メジャーの一流打者の仲間入りを果たした。パワーも毎年30本〜40本は打てる力を持っており、理想的なバッター。昨シーズンも打率ではプホルスに次ぎリーグ2位、打点では5位の成績を記録した。01年シーズン前にはロッキーズと11年契約を結び、生涯ロッキーズ宣言中。
1B ジム・トーミ(フィリィーズ) .293 28HR 61打点
現リーグのホームランレースのトップを走る。白人選手でボールを力一杯ひっぱたくバッティングスタイルは、クラシックな時代を彷彿とさせる。
チャンスに頼れるバッターなのも、古典的な強打者タイプ。
RF ミゲール・カブレラ(マーリンズ) .298 20HR 58打点
昨シーズン20歳でメジャーに昇格し、ワールドシリーズでは4番に入り、クレメンスからホームランを打つなど、マーリンズのワールドシリーズ制覇に大きく貢献。
レッドソックスのラミレスと同じく、パワーがありながら、無理に引っ張らず右方向へ素直に打ち返すバッティングは末恐ろしい。見た目もラミレスのデビュー当時と同じく、細面の美青年だが、チームバッティングをこの年で理解するクレバーさには大きな可能性を感じる
P ランディ・ジョンソン(ダイアモンドバックス) 10勝7敗 防御率2.99
今シーズン、完全試合を達成。百聞は一見に如かずの言葉通り、彼のすごさは一目見ればわかる。長い腕のために他の投手より球を離すのが遅く、その分150キロ台後半の速球は、スピードメーターより早く感じるはず。そして刃物のようなスライダー。人間として近づけうる最高の凶器ではないだろうか。
P ダン・コルブ(ブリューワーズ) 26セーブ 防御率0.82
35試合に投げて、負けなし26セーブというのは立派。ただし三振をとるタイプではなく、打たせてとるコントールが身上の投手。コントロール主体のピッチャーで、防御率0点台というのは、驚異的だ。今回のオールスターが、大舞台デビューとなる。
※打順と先発投手は予想です。